「コープランド・オン・ミュージック」を読む

Doubleday & Company社の「コープランド・オン・ミュージック」を、原文と日本語訳の両方を見てゆきます。

「マルサリスオンミュージック」を読む 第3回

第3回:第1章32ページから38ページまで 

 

(32ページ) 

さて、行進やらスキップやら、弾む、飛ぶ、くすぐる、そういったことが全部わかったこ処で、次はこれらをどんな速さでやろうか、ということを見てゆきたいと思う。拍と休符が出てくるスピードのことを、テンポという。そしてテンポは、音楽作品の感じ、あるいは雰囲気とい.ったものに、大きく影響する。1キロ余りの距離のところを、歩く時の気分と走る時では違うだろうし、そう考えれば、這いつくばっていけば更に気分が変わるだろう。「くるみ割り人形組曲の、ロシアの踊り(トレパーク)を聴いてみよう。テンポが生み出すエキサイティングな雰囲気に満ち溢れているぞ(CD8曲目)。 

(語句・文法事項:数字は行数) 

19.we probably want to know the speed at which we do these thingsおそらくこれらのことをするためのスピードについて知りたいと思うようになるだろう:不定詞(want to know) 前置詞+関係詞(the speed at which we do) 20.The rate at which beats an rests occur is called the tempo拍と休符が発生する率はテンポと呼ばれている:前置詞+関係詞(The rate at which) 23.Walking a mile would certainly put us in a different mood1マイル歩くことは確かに私達を異なる気分にさせるだろう:動名詞(Walking) 仮定法(would certainly put) 

 

(32最下行→38ページ) 

曲のテンポが終盤で更に加速することに注目しよう。これをアチェルランドという。自動車のスピードを上げる「アクセル」というペダルと、同じような言葉だね。大抵の楽譜には、アチェルランドのように、テンポのことを言っているイタリア語が載っている。例えば「ラルゴ」は「ゆっくり」、「ヴィヴァーチェ」は「生き生きと」(僕なんかは「超速く!」って言ってしまうけどね)、そして「アレグロ」は「程よく速く」だ。 

(語句・文法:数字は行数) 

[p.38,2]the gas pedal that makes a car go faster車をより速く走らせるためのペダル:関係詞(that makes) 使役動詞(makes a car go) 4.Italian words like accelerando that describe the tempoテンポのことを表現する「アチェエルランド」といったようなイタリア語の単語:関係詞(that describe) 

 

この曲をもっとゆっくり演奏すると、全く違う曲に聞こえるぞ。そして演奏しながらテンポを速くしたりおそくしたりすれば、テンポが曲の雰囲気作りにどんな効果を与えるか、がわかる(CD9曲目)。 

(語句・文法:数字は行数) 

11.the type of effect t(34ページ) 

管弦楽吹奏楽について 

ミュージシャンが集まって演奏するグループのことを、オーケストラとかバンドとか言う(でも大体12人を切る位の人数から、実際の人数にちなんだ名前で呼ばれる。二人ならデュエットとかデュオといい、六人なら六重奏、七人なら七重奏、といった具合に)。ベース以外に弦楽器(バイオリン、ヴィオラ、チェロ、といったところ)があるなら、管弦楽で、なければ吹奏楽、だ。 

(語句・文法:数字は行数) 

1.A group of musicians who perform together一緒に演奏するミュージシャンの集団:関係詞(musicians who) 

 

現代では、管弦楽の規模は25~100以上、と言った処だろう。演奏する曲によって人数は変わる(プロコフィエフの「古典交響曲」は比較的少人数、アイヴスの「アメリカの主題による変奏曲」は大人数)。管弦楽は歴史上、はじめの頃(約300年前)は、メンバー全員が弦楽器だった。それで今日でも、大抵の管弦楽は弦楽器が半分以上を占めているんだ。四つの基本の弦楽器(音域が高い方から低い方へ並べてみる)は、バイオリン、ヴィオラ、チェロ、ダブルベースだ。管弦楽ではバイオリンが、どの楽器よりも人数が多い。そして二つのパートに分けられる。第1バイオリンを上のパートとして、下が第2バイオリン、というわけだ。 

8.depending on what music it's playing何の曲をそれは演奏することになるのか、によって:分詞構文(depending on) 

 

(35ページ) 

管弦楽は、機能が向上し、規模が拡大するにつれて、弦楽器以外で更に三つの楽器群を加えるようになった。基本の木管楽器群、これは全て、楽器の中に息を吹き込んで演奏する。順に、フルート、オーボエクラリネットバスーン、だ。基本の金管楽器、これも吹く楽器だが、マウスピースの内側に唇が入る形で演奏する。トランペット、トロンボーン、ホルン、テューバ、だ。打楽器群は、木管楽器金管楽器以外のほとんど全ての楽器がそれに入る。大抵は、太鼓、シンバル、そして、その他叩いて音を鳴らすもの - ピアノも、このグループに含まれている! 

(語句・文法:数字は行数) 

4.As orchestra began to develop and grow管弦楽が発展と成長を始めるにつれて:不定詞(to develop and grow) 6.The basic wind (or woodwind) instruments are all played by blowing into them基本的な管楽器(或は木管楽器)は全て、息を吹き込むことで演奏される:動名詞(by blowing into them) 8.The basic brass instruments (also blown, but with the lips inside a mouthpiece)are trumpets基本的な金管楽器(こちらも息が吹き込まれるが、唇をマウスピースの中に入れる)はトランペット~だ:分詞構文(also blown) 12.other things that you play by hitting them君が叩くことによって演奏するその他のもの:関係詞(that you play) 動名詞(by hitting them) 

 

(36ページ) 

吹奏楽は、管楽器から弦楽セクションを除いたものだ、と思えばいいだろう。代わりに、他の楽器を加えるんだ。木管セクションへは、様々なサイズのクラリネットや、多彩なサックス。金管セクションへは、様々なサイズのテューババリトンユーフォニアム、スーザフォーン)だ。 

 

管弦楽はヨーロッパで生まれたものだ。その一方で、フレッチャー・ヘンダーソンデューク・エリントンといったようなミュージシャンは、ジャズ演奏のために、それまで存在しなかった、アメリカ独自のオーケストラを発展させたんだ。ジャズオーケストラ、あるいは、ジャズバンドとは、ミュージシャン達が様々な音楽の主題に乗って、一緒にインプロバイズする楽団のことだ。その主題の多くは、ブルース形式に則って(そうでないのもある)、そして例外なく、ブルースの雰囲気とスウィングのリズムで演奏される。木管セクションにはクラリネット、サックス、金管セクションにはトランペットかコルネットトロンボーン、そして時にはテューバやその他の低音金管楽器が入っている。打楽器セクション - これは基本の役割がスウィングリズムを作って保ち続けることから、リズムセクションと呼ばれることの方が多い ― ベース、ドラムス、ピアノ、だ。 

(語句・文法:数字は行数) 

6.Musicians such as Fletcher Henderson and Duke Ellington developed a distinctively American orchestra to play jazzフレッチャー・ヘンダーソンデューク・エリントンといったようなミュージシャン達は、ジャズを演奏する為の、他と異なるアメリカ的なオーケストラを発展させた:不定詞(to play) 7.a group of musicians who improvise together一緒にインプロバイズするミュージシャンの集団:関係詞(who improvise) 8.on varied musical themes, many of which follow a blues form but all of which have a blues feeling and are played in swinging rhythm様々な音楽の主題に乗って。その主題の多くはブルースの形式に従っているが、その主題は全てブルースの雰囲気を持ちスウィングのリズムによって演奏される:関係詞・非制限用法(themes, many of which follow but all of which have and are played) 12.Its percussion section - more often called the rhythm sectionよくリズムセクションと呼ばれるその打楽器セクション:過去分詞(called the rhythm section) 

(解説) 

improviseインプロバイズする:演奏中、その場その場で音楽を創り上げてゆくこと。大抵の場合、曲に出てくるフレーズを部分的に使ったり、作曲者がその曲で使っている形式を利用して行う。周りとの調和を最も大切にする。 

 

管弦楽吹奏楽が人前で演奏する時は、大抵、舞台上、あるいは別の広い場所に、半円状に席をセッティングし、その時、全員が指揮者やバンドリーダーの方を向くようにしているものだ(勿論、マーチングバンドは例外。リーダー、あるいはドラムメジャーの後ろをついてゆきながら、通りを、あるいはフィールドを進んでゆく)。管弦楽は、まず弦楽器はたいていの場合客席から見てステージの左の方に高い音域のパートがいて、右の方へと順に音域の低いパートが並んでいる。木管楽器は中央に横並びになって、まっすぐ指揮者の方を向いている。その後ろに、やはり横並びになって金管楽器がいる(金管の方が音が大きいからね)。打楽器は、その時々の指揮者の好みの場所に配置される。指揮者の向こう正面で、全体の一番後ろにいることが多い。打楽器奏者の多くは立って演奏し、本番中も沢山動き回る。曲中、色々なところで色々な楽器を演奏するからだ。 

(語句・文法:数字は行数) 

15.seated in a semicircle facing the conductor or band leader指揮者かバンドリーダーの方を向いて半円状に座らされて:分詞構文(seated, facing) 17.a marching band, which follows its leader or drum majorマーチングバンド、それはリーダーかドラムメジャーの後をついてゆく:関係詞・非制限用法(band, which follows) 19.The winds sit in rows in the center, directly facing the conductor木管楽器は指揮者の方をまっすぐ向いて中央に横並びに座る:分詞構文(facing the conductor) 21.The percussion players fit in where the conductor wants them打楽器奏者たちは指揮者が彼らに対して望む場所にはまる:関係詞(where the conductor) 22.most of them play standing彼らの大半は立って演奏する:分詞構文(play standing) 

 

指揮者は、管弦楽吹奏楽で、前に立って両手を振り、曲の拍子や表情を伝えるんだ。奏者が拍の位置を見やすくするために、たいていは指揮棒を持っている。指揮者の仕事はリズムが演奏中流れ進む中で、正確なポイントを押さえて、奏者全員が一体感を保てるようにすることと、奏者が、自分の出番で確実に音を鳴らせるようにしてあげることだ。言ってみれば、楽器プレーヤーが自分の楽器を演奏するように、「楽団丸ごと」という楽器を指揮者は演奏するって感じかな。 

(語句・文法:数字は行数) 

22.The conductor is the person who stands in front of the orchestra or band and waves her or his arms in a pattern that shows the meter of the music they're playing or indicates expressive shadings指揮者とは管弦楽吹奏楽の前に立って楽団が演奏してる曲の拍子や表情の形を示すようなパターンで両腕を動かす人である:関係詞(who stands, that shows) 関係詞・省略(the music [that] they're playing) [p.37,2]Usually the conductor hols a baton, or stick, to make it easier for the musicians to see exactly where the beat is大抵指揮者は、演奏者たちが正確に拍がどこにあるかを、楽に見ることができるようにするために、指揮棒を持っている:不定詞(to make, to see) 仮主語/make+目的語+補語(make it easier)  関係詞(where the beat is) 5.The conductor's job is to keep everyone together指揮者の仕事は全員をまとめ続けることである:不定詞(to keep) 8.You could say君は~だと言えるかもしれない:仮定法過去(could say) 

 

(37ページ) 

当たり前のことだけれど、管弦楽吹奏楽も、奏者が多くなるほど、指揮者は楽団から距離を置いて独立する必要性が大きくなる、というものだ。実際、歴史上管弦楽というものが生まれた頃は、今のように前に立って指揮だけをする役割の人など、いなかったんだ。奏者は、首席バイオリン奏者かチェンバロやピアノ奏者をじっと見て、演奏の「出」と「止」のタイミングを取り、アンサンブルが崩れないよう一体感を保った。管弦楽の規模が150年くらい前から大きくなり始めたのにあわせて、楽器の演奏をしない指揮者を置くようになったんだ。 

(語句・文法:数字は行数) 

12.the more players there are in an orchestra or band, the more need there is for a conductor separate from the rest of the players管弦楽吹奏楽の奏者が多くなればなるほど、指揮者にとって他の奏者たちから分離する必要性は益々増えてくる:the+比較級, the +比較級(the more the more) 15.to know when to start and stop and how to keep togetherいつ演奏を始めたり止めたりすればいいか、そして、どうやって一体感を保つか、これらを知るために:不定詞(to know) 疑問詞+不定詞(when to start and how to keep) 18.did they first start having conductor who didn't play also初めて彼らは演奏をしない指揮者を持つことも始めた:倒置(did they first start) 動名詞(start having) 関係詞(who didn't play) 

 

実際、今日多くのジャズバンドは、指揮を専らする人を立てたりしない。というのも、ジャズでは、ドラムが指揮の役割を果たしているからなんだ。ジャズバンド、あるいはジャズオーケストラのリーダーと言えば、トランペットのトップ奏者(例:ルイ・アームストロング…左写真)、ソロ・サックス奏者(例:ベニー・カーター)、ピアノ奏者(例:デューク・エリントン)、あるいはヴォーカリスト(例:ビリー・エクスタイン)あたりかな。 

tempo has on the mood of a piece of music音楽作品の雰囲気にテンポが与える影響のタイプ:関係詞・省略(effect [that] tempo has) 

 

 

次回、第4回は、38ページから第1章の最後までを見てゆきます。