「コープランド・オン・ミュージック」を読む

Doubleday & Company社の「コープランド・オン・ミュージック」を、原文と日本語訳の両方を見てゆきます。

「マルサリス・オン・ミュージック」を読む 第11回

第11回:第3章  スーザからサッチモへ:吹奏楽とジャズバンド 

 

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ジョン・フィリップ・スーザ作曲の行進曲「星条旗よ永遠なれ」。吹奏楽の為に書かれた作品だ。アメリカでは、行進曲と言えば、主に兵隊さん達が隊列を組んで足並みをそろえて行進する為の作品だったりするよね。でもそれだけではなくて、大きな出来事や心に残った場所を記念したり、愛国心をかき立てたりするためにも、行進曲が作られることがある。自分の母国に誇りが持てなくなったら、行進曲を聴いて、「よし、そうだ、僕はアメリカ人なんだ」とかね。最近は上手な行進曲の演奏というものを聞かなくなった - ということは、ひどい演奏というものもなくなったのかもね - 吹奏楽を聴く機会と言うと、フットボールの試合とか、たまに一度、二度と開かれるパレード、あるいは親戚や友達が出演しているから、といって聴きに行く学校のバンドコンサート、くらいかな(CD58曲目)。 

 

(語句・文法の要点:数字は行数) 

1.John Philip Sousa's “The Stars and Stripes Forever!” is a march, composed to be performed by a wind bandジョン・フィリップ・スーザの「星条旗よ永遠なれ」は行進曲で、吹奏楽で演奏されるために作曲された:過去分詞・非制限用法(composed) 不定詞・受動態(to be performed) 3.A march is mainly a composition for the organized steps of military troops marching in formation行進曲とは主に隊列を組んで行進している陸軍部隊の足並みのそろった行進のための作品だ;過去分詞(organized) 現在分詞(marching) 9.It's very seldom that we hear a good march today - or a bad one, for that matter - and we only hear a wind band at a football game, an occasional parade or two, or a school concert where our relatives or friends are playing in the school band最近は上手な行進曲を耳にすることはまれだ - そういった意味では、下手なものもそうだ - そして私達はフットボールの試合とたまに一度か二度開かれるパレードと私達の親戚や友達が学校のバンドで演奏しているバンド演奏会くらいしか吹奏楽を耳にしない:仮主語(It's) 関係詞(where)  

 

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吹奏楽って「吹いて奏でる楽団」て書くよね。これは、吹奏楽は大抵、弦楽器があまりなくて、打楽器と吹く楽器で構成されているからなんだ。金管セクションとして、トランペット、トロンボーンテューバ、フレンチホルン。木管セクションとして、オーボエバスーンサクソフォンクラリネット、そしてフルート。打楽器セクションとして、スネアドラム、バスドラム、シンバル、そしてトライアングルとか高い音のする小物類。 

 

(語句・文法の要点:数字は行数) 

3.It has a brass section, which is trumpet, trombone, tuba, and French hornsそれは金管セクションを持っていて、トランペット、トロンボーンテューバ、そしてフレンチホルンだ:関係詞・非制限用法(section, which)  

 

南北戦争の後、吹奏楽アメリカの北東部で盛んになったんだ。そして20世紀の初め頃までには、アメリカ中の街が、規模は街によってそれぞれ違うけれど吹奏楽団を持つようになった。演奏の場としては、ピクニック、教会、スポーツイベント、ダンスパーティー、政治集会なんかがあった。それから薬の販売ショーなんてのもあって、効き目なんかあるわけない熊の脂を「リューマチの薬だよ!」なんて売っているものまで、吹奏楽団は行って演奏していたんだ。普通の編成の吹奏楽だったら、幅広く色々なジャンルの曲を演奏したんだ。教会の讃美歌、オペラの序曲、コメディーショーの歌、勿論、行進曲もね。 

 

(語句・文法の要点:数字は行数) 

10.Right after the Civil War the wind band became popular in the Northeast, and by the turn of the twentieth century towns all over the United States had bands of various sizes that played for picnics, churches, athletic contests, dances, political rallies, even those medicine shows where they would sell things like bear grease to cure rheumatism - and it never worked南北戦争の直後に吹奏楽アメリカの北東部で人気が出てピクニックや教会や運動競技会やダンスや政治集会や熊の脂の様なものをリューマチの薬と称して売ってそして効き目がないというような場で演奏する為に20世紀のはじめの頃には様々な規模のバンドをアメリカ中の都市が持った:関係詞(that where) 過去の習慣(would) 不定詞(to cure) 

 

1892年、ジョン・フィリップ・スーザは、アメリカで一番の吹奏楽団、その名もズバリ「スーザバンド」を結成し、自らタクトを取った。そして40年間、全米はもとより、全世界へコンサートツアーへ出かけたんだ。スーザバンドは幅広い音楽を演奏してはいたけれど、やはりスーザと言えば行進曲、それも、伝統的なヨーロッパ音楽にアメリカ独自の明るさを目一杯吹き込んで見せたことで、人々の記憶に残っている。この章では、吹奏楽とジャズの関係、特にルイジアナ州ニューオーリンズ、僕の故郷で生まれた初期のジャズにもたらしたものを見てゆこう。 

 

(語句・文法の要点:数字は行数) 

20.In 1892 John Philip Sousa organized and conducted the most famous wind band in the United States of America, simply named Sousa's Band1892年ジョン・フィリップ・スーザは、アメリカ合衆国で最も有名なバンドを編成し指揮を執った、そのバンドは単純にスーザバンドと名付けられた:過去分詞・非制限用法(America, simply named) 24.And even though Sousa's band played a wide range of music, he is most remembered for composing marches that infused the traditional European style with an American optimismそしてスーザバンドは幅広い音楽を演奏したが彼は伝統的なヨーロッパの形式とアメリカの楽観主義を合成した行進曲を作曲したことで記憶されている:動名詞(composing) 関係詞(that)  

 

ジョン・フィリップ・スーザ 

 

ジョン・フィリップ・スーザ1854年11月6日、ワシントンDCで生まれました。当時のアメリカ大統領はフランクリン・ピアスでした。フィリップの父はポルトガル系の移民で、海兵隊バンドのトロンボーン奏者として生計を立てていました。フィリップは姉一人、弟と妹が合わせて6人という兄弟姉妹の中で育ち、幼い頃は近所のバイオリンの先生の処へ通っていました。13才になるまでは、ちゃんと学校に通っていたものの、この年、フィリップは学校を脱走しようと試みます。学校を辞めて、サーカスで楽団員になりたかったからです。フィリップの父はこれを許しませんでしたが、代わりに、フィリップを海兵隊バンドの見習奏者にしてやったのです。ここでフィリップは7年間務め上げ、その間にバイオリンの練習を続け、そしてピアノ用に舞曲や行進曲などの作曲も少しずつ始めました。 

 

(語句・文法の要点:数字は行数) 

3.His father, who was an immigrant from Portugal, earned his living as a trombonist in the U. S. Marine Corps彼の父はポルトガルからの移民でアメリ海兵隊トロンボーン奏者として生計を立てていた:関係詞・非制限用法(His father, who) 動名詞(living) 11.Here Philip served for seven years, continuing to study the violin and beginning to compose his first works, dances and marches for the pianoここでフィリップは7年間務め上げ、その間バイオリンの研鑽を続けそして彼の初期の作品であるピアノのための舞曲や行進曲を作曲し始めた:分詞構文(continuing beginning) 不定詞(to study to compose) 

 

海兵隊を退役後、スーザはフィラデルフィアへ移り、劇場の管弦楽団の団員となり、そしてミュージカルコメディーを指揮したり、自ら作曲も手がけるようになりました。1880年、スーザは初めて作曲を手掛けたショー「私達のからさわぎ」をひっさげて、フィラデルフィアで巡業中、思わぬオファーが舞い込みます。海兵隊バンドの音楽監督就任の要請です。スーザの父の推挙によるものでした。スーザはワシントンへ戻り、海兵隊へ復帰、12年間の在任中、海兵隊バンドを拡大・再編成し、約50名編成のバンドとなり、多くの聴衆を魅了するようになります。更にスーザは、バンドのレパートリー刷新に着手し、南北戦争時代の作品を間引き、代わりにスーザ自作の行進曲や編曲作品を投入しました。海兵隊バンドの為に作曲された行進曲の多くは、驚異的なヒットとなり、楽譜は数十万部を売り上げました。その一部は現在もなお有名です。「忠誠」(1888年海兵隊のモットー「忠誠心」のラテン語)、「雷神」(1889年)、「ワシントンポスト」(1889年、同名の新聞を記念したもの)。 

 

(語句・文法の要点:数字は行数) 

17.His father had suggested him as successor to the retiring director彼の父は事前にやめてゆく音楽監督の後継者として彼を推薦していた;過去完了・大過去(had suggested) 現在分詞(retiring) 18.Sousa moved back to Washington, rejoined the marine, and lived there for the next twelve years, enlarging and reorganizing the band into an almost fifty-member precision ensemble that began to attract large audiencesスーザはワシントンに戻り海兵隊に復帰しその後12年間そこに住み、その間そのバンドを大観衆を惹きつけ始めた概ね丁度50名のバンドへと拡大し再編成した:分詞構文(enlarging and reorganizing) 関係詞(that) 

 

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ラグタイム、ラグ、シンコペーション 

 

さて、ジャズの本題に入る前に、見ておかなくてはいけないものがある。ラグタイム音楽だ。これはアメリカ中西部生まれのピアノ音楽なんだ。それまで吹奏楽が演奏していた伝統的なスタイルの音楽から、アメリカ南部でジャズの原型が生まれる、その橋渡しに位置するものだ。ラグタイムの大作曲家、スコット・ジョプリン。「メイプルリーフ・ラグ」などで世界中で愛されている人だ。 

 

(語句・文法の要点:数字は行数) 

2.Ragtime was piano music born in the Midwestラグタイム音楽は中西部で生まれたピアノ音楽だった:過去分詞(born) 3.It was a bridge between the music of the wind bands and early jazz, which was born in the Southそれは吹奏楽等の音楽と初期のジャズの橋渡しになったものだった。初期のジャズとは南部で生まれた;関係詞・非制限用法(jazz, which) 

 

ラグタイムの基になったのは、インプロバイズされた音楽スタイルのひとつ、ラギングだ。これはメロディの♪やリズムを変化させ、楽しい雰囲気にするってこと。ラギングは、シンコペーションを効かせるアフリカ音楽の手法を、アメリカ流にしたものだね。シンコペーションって、第1章を覚えているかな。予想外の拍にアクセントをつけるやり方だったね。このやり方、あらゆるタイプの楽曲にあてはめられていて、曲を面白おかしく変化させたんだ。ラギングってどんなものか、実は誰にでも理解できる。なぜかって、それは、誰もが時々やっていることだからだ。何が何でも今回はコレが食べたい!と思った時の、お願いの仕方「ねえ、ピザ食べてもいい?ピザ食べてもいい?ねえ?ねえ、ねえ、ねえ、ピザ食べてもいい?」ピザが食べたい時のラギングの仕方でした!言葉の順番を変えたり、強調する所を変化させたり、言葉を付け加えたり、「くずし」を入れてみたり、相手にウンと言わせるよう持ってゆく。 

 

(語句・文法の要点:数字は行数) 

9.Ragtime developed from an improvised music style called raggin', which means to make a melody ragged by changing its notes and its rhythmsラグタイムが発展した基になったのはラギングと呼ばれるインプロバイズされた音楽の形式で、それはメロディを音符とリズムを変化させることによって楽しくされたものだった:過去分詞(improvised called ragged) 関係詞・非制限用法(raggin', which) make+O+過去分詞(make a melody ragged)  15.This syncopated raggin' was applied to all types of songs to make them more funこのシンコペーションの効いたラギングはあらゆるタイプの曲に当てはめられた。それらをより面白くするために:make+O+C(make them more fun) 

 

作曲家が、行進曲であったり、それよりもっと複雑な仕組みを持つ「楽譜に書かれた曲」に対してラギングをかけたことによって生まれたもの、それがラグタイム音楽だ。考えてごらん。これはラジオもなければ、当然、テレビやビデオ、今に時代に僕達が使っているメディアなんか無かった時代の話だ。家庭の娯楽の中心は、パーラーピアノ。ま、もっともお金があって買うことが出来たなら、の話だけれどね。大人なら、居酒屋だの人が集まる場所だので、ラグの演奏を聞く機会があったようだ。 

 

(語句・文法の要点:数字は行数) 

27.You have to remember that this was before the advent of radio, let alone television and all these videos and stuff that we look at today君が覚えておかねばならないのはこれはラジオが発明される前のことだということだ、今日私達が見るテレビやビデオやそういったものは言うまでもない:関係詞(that) 30.The center of family entertainment in the home was the parlor piano; that is, if you had enough money to buy one家のかかの家族の娯楽の中心はパーラーピアノだった。それはもし君にそれを変える十分なお金がある場合の話だが:仮定法過去(if you had) enough+O+不定詞(enough money to buy) [p.99,1]If you were old enough, you might hear a rag played in a tavern or other public placeもし君が十分年を取っているなら、君はたぶんラグが飲み屋とか他の公の場で聴くかもしれない:仮定法過去(If you were) 知覚動詞+O+過去分詞(hear a rag played) 

 

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新しくピアノを買った家族にとっては、誰か弾き手がいれば、ラグタイムはうってつけだった。弾き手が誰もいなければ、自動演奏で。これは、ロール紙を使う仕組みのものだ。 

 

(語句・文法の要点:数字は行数) 

5.And if not, the rag sounded good on a player piano; that's a piano that plays itself with the aid of a piano rollそしてもしそうでなければラグは自動ピアノで演奏されてもよく聞こえる、それはピアノロール紙の助けを借りて自動で演奏するピアノだ:関係詞(that plays)  

 

ラグタイムが人気を博した理由は、そのシンコペーションが醸し出す楽しさと、踊りだしたくなるようなビート感だった。みんな、踊るのは好きだよね。ラグタイムは約四半世紀もの間、アメリカで一番の人気を誇る音楽芸術となって、やがてピアノだけでなく、あらゆる演奏形態の為にアレンジが進められたんだ。 

 

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スコット・ジョプリン 

 

スコット・ジョプリンテキサス州西部のマーシャルの近くの町で、1868年11月24日に生まれました。時の大統領はアンドリュー・ジョンソンでした。彼の父は、はじめ小作農をしていて、後に鉄道員になった人でした。生まれた時は奴隷の身分でしたが、1861年南北戦争が始まったその前に、オーナーが奴隷の身分から解放してあげたのでした。一方、母は奴隷の身分ではない生まれで、ケンタッキー州の出身です。スコットには8歳年上の兄が一人と、弟と妹があわせて4人いて、テキサルカーナと言う町で成長期を過ごしました。ジョプリン家の子供達のほとんどは、音楽的な才能を示していました。スコットはバンジョーマンドリン、ギター、そしてピアノを弾きこなし、歌も歌いました。16歳の時、弟たちの内、2人とドサ周りをするコーラスユニット「テキサスメドレーカルテット」を結成。同時にスコットは、地元で機会を見つけては、ピアノを弾いて稼いでいました。 

 

(語句・文法の要点:数字は行数) 

11.When he was sixteen, he formed a traveling singing group with two of his younger brothers called the Texas Medley Quartette, and he also earned money as a pianist playing for local events彼は16歳の時弟の内二人とテキサスメドレーカルテットという旅をする歌のグループを結成しそして彼は同時に地元の行事のためにピアノ奏者として演奏してお金を稼いでいた:動名詞(traveling) 過去分詞(called) 分詞構文(playing) 

 

20歳の時、ジョプリンはソロミュージシャンとしての生活をスタートします。中西部全体を巡業し、生活と仕事の拠点を、セントルイス、シカゴ、シンシナティ、ルイズビルなどといった都市に置きました。1895年から96年にかけて、ジョプリンはテキサスメドレーカルテットとツアー活動を再開、頭部はニューヨーク州のシラキュースまで足を延ばし、そこで初めての自作、二つのヴォーカルソングを出版します。1897年、ジョプリンはミズーリ州のシディリアに拠点を置き、教壇に立ち、同時にメイプルリーフクラブや他のサロンでラグタイム音楽のピアニストとして活動を始めます。ジョプリンは、また、更に音楽を学ぶべく、ジョージ・R・スミスカレッジで、和声学と作曲法の応用課程を受講しました。ジョプリンは、12人編成のシディリアクイーンシティコンサートバンドに、コルネット奏者として参加し、そしてこのバンドの為に、当時人気を博した行進曲や部局のラグタイムバージョン(シンコペーションの技法が使われている)をアレンジしました。ジョプリンは1899年に作曲した新曲「メイプルリー・フラグ」の出版をしてくれる会社を、ミズーリ州全体で当たり、最終的に地元シディリアで、ジョン・スターク社と契約締結にこぎつけたのです。出版社ジョン・スターク&サンは、この後、ジョプリンのラグタイムピアノ曲の内、計20曲余りを世に送り出すことになり、ジョプリンはシディリアの町で「ラグタイム王」として知られるようになりました。 

 

14.When he was twenty, Joplin began a life as a traveling solo musician throughout the Midwest, living and working in St. Louis Chicago, Cincinnati, Louisville, and other cities彼が20歳の時ジョプリンはセントルイスシカゴシンシナティルイズビルそしてその他の都市に住み仕事をしながら中西部中を巡業するソロのミュージシャンとしての生活を始めた:現在分詞(traveling) 分詞構文(living and working) 16.In 1897 he began to tour again with the Texas Medley Quartette, traveling as far east as Syracuse, New York, where he published his first music: two songs1897年に彼はテキサスメドレーカルテットと共にツアーを再開し、東部のシラキュースとニューヨークまで演奏旅行をし、そこで彼は彼の最初の作品である二つの曲を出版した:不定詞(to tour) 分詞構文(traveling) 関係詞・非制限用法(New York, where)  

 

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ラグタイムは、それまでの行進曲のサウンドに変化をもたらしたんだ。まずは、ここまで触れてきた、シンコペーションだ。これはシンコペーションがかかっていないフレーズ(譜例10、CD59曲目)。そしてこちらは、同じフレーズで、シンコペーションがかかっているもの(譜例11、CD60曲目)。シンコペーション「なし」の方は、1・3拍目にアクセント。「あり」の方は、2・4拍目にアクセントがかかる。 

 

(語句・文法の要点:数字は行数) 

2.First, the syncopation we've been talking about最初にここまでずっと話してきたシンコペーション:関係詞・省略/現在完了進行形(the syncopation [that] we've been talking)  

次に、ラグタイムのメロディは、それまでの行進曲のメロディと比べて、、音域がうんと広い。この譜面、グラフみたいだけれど、ラグタイムのメロディの方が、うんと幅広い空間をしめているのが分かるよね(譜例12・13)。 

 

(語句・文法の要点:数字は行数) 

10.If you look at these scores as if they were graphs, you can see that the ragtimes cover much more musical spaceもしこれらの楽譜まるでグラフの様であることを見ればラグタイムがはるかに多くの音楽的なスペースをしめることが見ることが出来る仮定法反実仮想(as if) 

 

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更にラグタイムは分散和音を使うそれは何か憶えているかな?第2章で、「和音」とは三つ四つの音が「せーの!」で一緒に鳴っている音、と言ったね。一緒に鳴っている音をバラバラに鳴らすのが、分散和音だ。譜面で「一緒」(譜例14、CD61曲目)と「バラバラ」(譜例15、CD62曲目)を見てゆこう。こんな感じだ。 

 

(語句・文法の要点:数字は行数) 

2.Remember, in Chapter 2 we said that a chord is a group of the tones sounded together思い出せ、第2章で私達は和音は一緒に鳴っている音の群れのことだと言った:過去分詞(sounded) 

 

そして、ラグタイムは、バンジョーをイメージした、打楽器でリズムを奏でていくようなスタイルを特徴としている。ラグタイムは、バンジョーの弦を弾いて出す音を採り入れて、それをピアノで演奏するようにしたわけだ。 

 

(語句・文法の要点:数字は行数) 

7.Fourth, rags feature a percussive style that imitates the banjo四番目にラグはバンジョーを模した打楽器のようなスタイルを特徴とする:関係詞(that) 

 

ラグタイムと行進曲それまでの音楽スタイル)の共通点 

 

ラグタイムと行進曲の似ている点を見てみよう一番は二拍子の拍子感だろう行進曲のズンチャッズンチャッというあのサウンドのことだラグタイムも同じ拍子感を持っている(CD63曲目)。 

 

(語句・文法の要点:数字は行数) 

9.That's what gives the march the oom-pah, oom-pah soundそれが行進曲にウンパウンパと言う音をあたえるものだ:関係詞(what) 

 

それからフレーズが16小節で一区切り、それが繰り返される、ということ。AABA形式やブルース形式と同じように、小節数を数えることが出来る。スーザの行進曲「マンハッタン・ビーチ」と、ジョプリンの「メイプルリーフ・ラグ」は、どちらも同じように、小節数を数えることが出来る。 

 

(語句・文法の要点:数字は行数) 

12.Then we have sixteen-bar strains, which are repeatedそして私達には16小節区切りがある、これは繰り返される:関係詞・非制限用法(strains, which) 

 

行進曲もラグタイムも、中間部のメロディがあるのが特徴だ。これはトリオと言って、やさしい性格で、音量は控え目で、肩の力の抜けた感じがする。調も、その前の部分とは別のものになっている。なぜトリオと言うのか、これは元々は、昔の軽快な舞踊の動きから来ているんだ。テンションの高い分が二つと、一つ低い部分がある。結局、この二つと一つで三つの部分と言う形式は、、今は廃れてしまったけれど、軽快で、比較的メロディックな性格だけが今も残っている。これが、行進曲やラグタイムの曲中で他の部分が持つ、比較的自己主張の強い性格と異なり、軽い安心感みたいなものを聴く人に与えるんだ。それと同時に、行進曲でもラグタイムでも、曲のエンディングに出てきて、曲をさらに盛り上げる役目も果たすんだ。ささやく声の後で叫ぶ、みたいなコントラストがつくからね。 

 

(語句・文法の要点:数字は行数) 

17.Both marches and rags also feature a middle strain, called the trio, which has a gentle quality, softer, relaxed, and is in another key行進曲もラグも共に特徴としているのが中間部の区切りでこれはトリオと呼ばれ優しい質感とより柔らかくリラックスしいていてそして別の調をしている:過去分詞・非制限用法(strain, called) 関係詞・非制限用法(trio, which) 

 

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そして、ラグタイムも行進曲も、音符は全て楽譜におこされていて、インプロバイズはしない。さて、もう一度ここで、スーザの「星条旗よ永遠なれ」と、ジョプリンの「メイプルリーフ・ラグ」を聴いてみよう。チェックポイントは、伝える内容は異なっているけれど、関連性のあるもので、それらを二曲とも同じやり方で演奏しているところだ(CD58,64曲目)。 

 

(語句・文法の要点:数字は行数) 

11.Listen again to Sousa's “The Stars and Stripes Forever!” and Joplin's “Maple Leaf Rag,” and check out how the same musical elements are used to communicate different but related ideasスーザの「星条旗よ永遠なれ」とジョプリンの「メイプルリーフ・ラグ」をもう一度聴け、そして同じ音楽的要素が異なるが関係のある考えを伝えるために使われている方法を確認せよ:疑問詞節(how) 不定詞(to communicate) 

 

 

次回、第12回は、第3章の103ページからを見てゆきます。